岐路、そして生き残るための道

やはり期待してしまうとそれを得られなかった時の心のダメージは、思っていたよりも鋭く刺さり、見た目はなんてことないが奥の方でズンと痛みが増していた。経産省補助金を落としたのだ。

誰もがやった事が無い、わかっていた困難な回り道で、解決すべき沢山の課題とソリューションを掲げて、多くの人を巻き込み応援していただきながら前に進んでは、いる日々。

結構この所、泣け無しの資本が尽きかけ辛い日々だし、官民連携にスタートアップの力をなんて言われ、自らも言っているが、資金不足という現実はスタートアップにこそ生死がかかった重さがあり、現場でどんなに順調であろうが、資金がショートしては事業は雲散霧消してしまう。

アクセラレータや補助金スキームは日本以外でも使った事がなかったので、はじめての事ばかりだったが、考えてみればJICA課題ツアー以外は皆、僕の説明が悪いか、アフリカ無理解かで落としている。もしくはスタートアップアップの資本力の無さもあるかもしれないが。

JICA案件化調査応札は8月まで答えが出ないのでどこまで期待できるかも不明だし、もし採択されても契約にこれまた時間がかかるので年末前後からのスタートで、調査開始となるとそこら一年かかるという象の様な遅さだ。

海外を知らぬ人はこれまで通りでそれは当たり前と思うかもだが、我々の見てきたフランスやセネガルでのスピードは、お題目より実務だし、他国の競合も多いので感覚的にホント10倍早い。そうしないと負けなのだ。

我々は告白するが、日本で創業してから自分たちの収入を一切求めず、海外人材という貴重な人材リソースのみを手弁当で持ち寄っている。

歩み寄った官民連携、日本政府の支援は年初のJICAのツアー以外、我々は一切受けていないのだ。日本の民間も然りだ。

その中で生存本能を使い、本気で一年やってきたからこそ、セネガル保健省も心をわかってくれて大臣とも個人的にWhatAppでやり取り出来るほどの連携を取ってくれているのだろう。

JICAツアーが終わり一社孤独の中、毎月大枚をはたき足しげくダカールへ通い、若干のスタートアップが単独でセネガル政府と3ヶ月でMOUを結んだのだ。

民ー民、政府ー政府ではなく民ー政府のMOUだ。

このMOUは、実際の医療現場に我々の機材10台を、2週間後にはセネガル中の医療現場で医師達が使い始め、夕刻から朝方の暗闇の診療所に光りを届け、暗闇の診療や出産から解放された医療現場で患者や母子の命を救うのだ。その子には未来があり、デジタル教育までなされればさらに良い未来がその子におとづれる。この権利を保健省がくれたのだ。

そんな人の命を救う、未来を作る大義あるプロジェクトだからこそ、官民連携を実現したいと願い行動しつつも、そしてここまできつつある。

各省庁のご担当者の皆様のお気持ちを痛いほど感じつつも、組織的には未だ具体的な支援は体制は見当たらない。

セネガル現地の活動も官との連携でのMOUだったと日の丸を掲げたかったが、肝心の現場では応札中という理由で相談窓口の門戸を閉ざされ、結局はこんな小さな会社1社で大臣達と進めざるを得ない日本の仕組みの限界。。

コンプライアンスや一社に寄らない公平性はお題目と、第三者からの評判を恐れる気持ちは分かるが、貴方の組織は日本の進出企業をアフリカで自力させるための支援たる使命を持っているのではないか?

こんな経験を自ら現場でしてしまうと、友曰く、だからよ、官との距離を持つほうが良い。というアドバイスを頂く事に、気を留めることも少なくなくなってきてしまう。

JICAや日の丸をセネガルに掲げたいための日本法人であったので、やりたかった一つの目的とと現実の乖離…

むう。

一方、幸いにして政策金融公庫の若き担当者の熱さや、民間で対話のご縁を東京やパリで持たせていただき、これから対話を重ねていく。

反対に、政府の補助金を得るための思考は現地で売っていくという事と全くリンクしていない事も分かり始めており、場合によって、当初は民民や外資との連携の方が何倍もそして実として早く進みそうな気配なのでそこに集中していくかも。

「アフリカで日の丸を掲げる」という事は外国から来た者の勝手な想いであり、だから日本に住む外国人こそこの遠回りの特異性を見出してくれるが、実は日本に住む日本の方には何も響いて無かったのかも。

これからの半年のセネガルでの結果如何では、売りに行くという本来の目的にシフトしていくことが濃厚になるだろう。

今思うに、実際に是非大規模に導入したいという相手国の声を出してもらいこそ、初めて日本政府との連携がなされるのかもしれない。

未だ道は開拓中で、ここで書けないプロジェクトも思案してるが、めげそうで辛いが、人生二度目の岐路の今を僕は諦めない。

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