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イチはゼロから生まれる
フランスで起業しているなんてすごいですね。お褒めを預かることある。
しかし、順当に初めからフランスで起業するなんて決めたわけではないので結果論である。
世の中、順風満帆に人生を進む方もいるが、僕はプロフィールにあるように失敗を重ねながら生きている。
何にもなかったから失うものも少なくリスクテーカーな人生で自分のやりたい道を探し、これだなと思えたところに赴き、結果、フランスと日本、セネガルの三法人を経営することになっている。昔の自分から見たらびっくりすることだ。
もし大学受験が滞りなく終わっていたら全く違った人生を歩んでいたと思う。
中心者はバカがいい
僕は本当にいろいろできなくて、周りに迷惑をかけながら生きていて、しかしこうあるべきだというビジュアルだけは明快で、リスクテークな人生を歩んできているのは周りはよく知っている。
フランスだってそこそこ周るビジネスを作って、現経営者へ経営権をほぼ譲渡し彼女らが自由に経営ができる環境を共に作り出せたのは大きな自信だ。
その実績と自信もあるし、フランス語圏アフリカならこれまでの流れでどんとこいだ! なんて、一人で遠吠えても何にも実現なんてしない。
ビジョンだけは明快で足りないのは、実力だが、その足りない僕を支えてくれる妻や家族、仲間が居て目も当てられないと支えてくれる。
そうした支えのおかげもあり、たゆまぬ行動力と楽観と自己肯定力だけは自信があり、そんな姿を見て応援してやんなきゃなと思ってくれていて、すごく助けてくれていることに心から感謝している。
一人で進めば早く進める、皆で進めば遠くまで行ける
Facebookでも書いたが、今世界で戦える大企業はオーナー社長会社がほとんどだ。強い経営者の意思で物事をスピーディに決定し、豊富な資源を投下し推し進める。
問題は後継者だ。強力なリーダーは諸刃の剣で、キャラ立ちや実力という切れ味が強いほど、部下が前面に出る機会は少なくなり、目立たなくもなる。仮に出て行ってもそうした強力なリーダと比較されるのでたまったものではないだろう。
一人で進み、行き着いたその先を一体誰が支えるのか?カリスマリーダーに従ってしまった社員はカリスマリーダが不在となると旗印を失い陣形が崩れるか。
徐々に後継者へ権限を委譲しようと気持ちはあれど、いつまでも君臨していてはシェイクスピアの「リア王」のストーリーの様にお家危うしは歴史だろうか。老体となる前に次世代にバトンタッチこそ存続していくのではないか。
これからの時代はグローバルではなく、グローカル
「グローバルな視野を持ち、日本の技術を世界に売っていく。」
これはもう令和では忘れてほしい、プロダクトインありきの思考はあまりにも日本固有、世界を知らずすぎる。競合他国はマーケットインから入るわけで、売っていく先の文化や生活環境から出てきたニーズに対して、自国のサービスやプロダクトを「合わせる」形で新たなプロダクトやサービスに変化させて売っている。
ずいぶん前だが、あるアジアの国が中国市場に洋服を売っていくという番組を見た。
中国女性向けの服なので、候補の服を中国人女性に見てもらい、服の装飾や色、材質など忌憚なく意見を出してもらい、その要望に完璧に答える形で洋服を仕上げてバカ売れしていると。
で、そのアジアのデザイナー曰く「こんな服は私の国では全く売れませんがそれが?」と。
これは売れればいいという解釈にとる人もいるが、そうではない。
現地のニーズを色眼鏡なしに完璧に受け止め、現地の財布事情に沿った提供だったから人気殺到で売れたのだ。
いつまでも日本ではと言っているグローバル視野では、日本人優位の働く文化の近い国ではまだ通用しようが、今後は抜かれていくし、日本人優位の働かない国では、グローバル視野は日本ローカル視野にしか見えないのである。
現地のローカル文化を自国のローカル文化と同等に扱い、日本国外に打って出るつもりが本気であるなら、現地のローカル文化を徹底的に知り、マーケットインからの視野を持つ以外海外で売っていくのは難しいだろう。
これからはグローバルにということも悪くはないが、いつか世界には日本を制覇してから世界に行くのではない。
世界のマーケットは、国々で異なる文化、常識、生活様式が異なり、必要なものやニーズが異なる。現地を見てマーケットを知り、そこに合わせてプロダクトやサービスを作り出す必要がある。
海外を海外と捉えず、いち地域として見ることで心の距離は縮まる。